スプリンガーの病気(1) 激怒症候群

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スプリンガーの保護犬の件があり、スプリンガー特有の疾病についての注目が高まっている。

国内では専門書もほとんど無く、経験から探られているのが現状である。スプリンガーの疾病についての専門的な研究は、現在の

ところ、量、質、歴史ともに海外にあるので、参考文献と、実際に海外のブリード現場をリサーチした結果を元に

今回から数回に分けてお伝えしていく。少々長くなるが、お付き合い願いたい。


スプリンガーの病気(1) 激怒症候群

 

Springer Rage Syndrome(スプリンガー・レージ・シンドローム)= 激怒症候群は先天性の疾患である。大人しかった犬が突然激しい攻撃性を示すものである。脳の疾病であり、てんかん発作の別の形であるとも言われている。

現時点までの聞き取り調査では、激怒症候群を専門に調べている獣医は残念ながら日本にはおらず、正しい知識の普及以前に、この「激怒症候群」という名前ばかりがスプリンガーに付いてまわる言葉となっている感がある。「噛む」と「激怒症候群だから」という都合の良い理由付けに使われる場合も見受けられる。

 

激怒症候群と優勢行動の違いは何だろうか?

犬が攻撃性を見せる場合、通常は

凝視する→唸る→歯を剥きだす→パクっと噛みつく(歯を立てる)→噛む

という段階を踏むが、威嚇する途中のステップを踏むことなく、いきなり最終攻撃の噛む行動に出て、更に相手が逃げ出そうとしても執拗に攻撃するのが激怒症候群である。

目つきが変わり、瞳孔が開いた状態になる事も特徴である

てんかん発作の一部と言われるように攻撃(発作)の最中は頭が混乱状態にあり、攻撃を止めさせようとしてもきかない。

攻撃の後、電源が切れたかのように大人しくなり、その犬は何をしたか分かっていない困惑した状態になる。疾病である以上、このような攻撃は制御することが出来ない。正しく脳の病気である。

脳内のセロトニンという脳内刺激伝達物質、つまり脳の興奮を鎮める作用があるこの物質量の低下が強い攻撃性につながっているとの研究結果も出ている。

 

優勢行動には数多くのタイプがあるが、攻撃性を示すある一定の状況、原因がある。

対して予測できない攻撃が激怒症候群である。優勢行動の場合には原因が分かる為、トレーニングによって改善の期待が持てるが、その程度によっては専門家においても非常に難しい。激怒症候群は脳の疾病である為、トレーニングによって矯正が望めるものではない。

発症は若い成犬(1歳から2歳)に多いがどの年齢でも発症の可能性はある。

 

疾病であれば、治す薬は無いのだろうか?

残念ながら現在のところ国内外を問わず根本的治療方法は発見されていない。その為、海外でも抗てんかん薬で常にボーっとした状態を作る薬の投与(これで突然の攻撃が無くなる訳ではない)か安楽死という選択肢しかない。攻撃が完全に払しょくされない以上、根本的解決法にはならず、実際海外でも安楽死の選択を余儀なくされる状況にある。


激怒症候群ないし優越行動はフィールドタイプには見られず、ショータイプに見られる。確かに優秀なショードッグはショーリングにおけるあらゆるストレスに動じず、自信に満ち溢れ、自己主張が強い。審査員の目を惹く自己主張の強い犬をハンドラーが操る事は容易であろうが、ショーリングを離れてオーナーの元で生活する中で、このパーソナリティーは時として邪魔な物となる。ショードッグがショーイングするのは一生の内のどれ位の期間だろうか? 一胎の中の何頭がショードッグとしてリングに立つのだろうか?

そのほとんどはパートナードッグとして家庭で生活するのである。そう考えた場合、ドッグショーでの好成績を優先し、遺伝する疾病、パーソナリティーに目をつぶることはブリーダーがしてはならない事である。激怒症候群、激しい優勢行動を持つ血筋は断たなければならない。

 

「スプリンガーは噛む」このレッテルを剥がす為には、作出するブリーダーとオーナーとの両サイドの知識と自覚、責任と覚悟が必要であろう。

 

ブリーダーは作出したスプリンガーの遺伝疾病、遺伝する激しいパーソナリティーの実態を把握する責任があり、発見した場合はその血筋の繁殖を断たなければならない。

噛むという問題が起きた事の責任を取る事以前に、問題が起きる犬を生み出さない事が大事であろう。疾病は決してトレーニングで治るものではない。いつ襲われるかわからない恐怖と隣り合わせの生活、時には自分の生命の危機をも脅かされかねない状況を作り出すことはあってはならない。

 

スプリンガーという犬種を飼うオーナーは、犬種特有の疾病や特徴を十分理解し、遺伝的な疾病やパーソナリティーに関する可能な限りの情報を集め、選択する必要がある。誰も、疾病がある犬、噛むかもしれない犬と生活を共にはしたくはないだろう。

 

ESSCJが目指す「健康でパートナードッグとして優れたスプリンガーを繁栄させたい」この為にはブリーダーとオーナー相互の責任と協力が必要である。時間は掛かるだろう。ひとつひとつ今ある問題に取り組んで行かなければならない。生命のあるものを扱う以上、生半可な知識、生半可な気持ちで向き合えるものではない。間違った事は正し、正しい方向へ向かう勇気も必要である。それによって、パートナードッグと共に穏やかに楽しい生活が送れるスプリンガーオーナーの笑顔が増える事を願って。





<参考文献>

ESSFTA

'An Article concerning the so-colled "Rage Syndrome" by Lyn Johnson DVM, Companion Animal Behavior Services

Love Springer Spaniels

The English Springer Spaniel  Tammy Gagne, Wayne Hunthausen, DVM

The Springershowcase "Springer Rage", Stephen C. Rafe

 

コメント(3)

とくにRage Syndromeに関する参考文献が提示されていますが

参考文献中には「スプリンガー特有のものとされているがそれは忘れていただきたい」や、「とても稀、稀中のまれ」とあるところを

うまく日本語訳せず「自分は正しいことをした」というような主張になっているところが気になります。
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激怒症候群と優勢行動の違いは何だろうか?

犬が攻撃性を見せる場合、通常は

凝視する→唸る→歯を剥きだす→パクっと噛みつく(歯を立てる)→噛む

という段階を踏むが、威嚇する途中のステップを踏むことなく、いきなり最終攻撃の噛む行動に出て、更に相手が逃げ出そうとしても執拗に攻撃するのが激怒症候群である。

目つきが変わり、瞳孔が開いた状態になる事も特徴である。

てんかん発作の一部と言われるように攻撃(発作)の最中は頭が混乱状態にあり、攻撃を止めさせようとしてもきかない。

攻撃の後、電源が切れたかのように大人しくなり、その犬は何をしたか分かっていない困惑した状態になる。疾病である以上、このような攻撃は制御することが出来ない。正しく脳の病気である。

脳内のセロトニンという脳内刺激伝達物質、つまり脳の興奮を鎮める作用があるこの物質量の低下が強い攻撃性につながっているとの研究結果も出ている。

優勢行動には数多くのタイプがあるが、攻撃性を示すある一定の状況、原因がある。

対して予測できない攻撃が激怒症候群である。優勢行動の場合には原因が分かる為、トレーニングによって改善の期待が持てるが、その程度によっては専門家においても非常に難しい。激怒症候群は脳の疾病である為、トレーニングによって矯正が望めるものではない。

発症は若い成犬(1歳から2歳)に多いがどの年齢でも発症の可能性はある。

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この文面はイギリスの犬のフォーラムを書いている方が
自分に送ってくれた物です。ESSCJさんのこの記事も間違った
見解を教えて行く事になりますので書きなおすようにして下さい。癲癇についてもあなた方の見解はあまり良いとは思えないのでもう少し勉強されるか
わかる方を担当にするといいですよ。

はじめまして。

今回の件、会長様からは直にお電話を頂き、顛末をご説明いただきました。


ルナちゃんの事、本当に残念です。ですが、真の問題はこれでは無いはずです。

この激怒症候群の記事に関しては、幸いなことに現代はネットが発達していて、事前に勉強し、情報を得ることが出来ます。
私達いち飼い主は、スプリンガーについて回る疾病など、できる限り海外の情報なども集めてから飼育を判断しています。


ESSCJは会長様が主催されていますが、会長様個人の持ち物ではありません。ですので、ある程度スプリンガーについて調べている会員であれば、記事に訂正が必要な内容であれば修正を求めています。
ですが、今回の記事は多少、ニュアンスや捉え方の相違がありますが、大体のところ私が個人で調べた結果と合っています。

激怒症候群がスプリンガー特有でないことはほぼみな知っています。スプリンガーのオーナーはそんな無知では無いですよ。


それにしても、どうも今回の事で思うことがあります。

頂いたお電話では、
?ルナちゃんは会長様の名義?から、オーナー様に引き渡された。
?オーナー様を時間を空け、数度噛んだ。
?上記のうち、典型的な「激怒症」を示す兆候、症状があった。
?受傷内容が極めて深刻であり、動脈に傷を負い血が吹き出るほどであった。
そして、最終的には?オーナー様の意向と会長その他トレーナーと獣医師の意見を仰ぎ、処分を決めた。

というお話です。

この際、激怒症であったかどうかは、私達にはわかりません。
その場に居りませんでしたから。
但し、自分の繁殖犬が人に深刻なダメージを与え、咬まれた人が処分を望んだから安楽死という処分になったのですよね。

さて。さらに私の聞いた話では、というかほぼ皆知っているから書いてしまいますが、オーナー様はスプリンガーの素人ではないはずです。かつてスプリンガーの繁殖もされていたはずです。
その素人では無い方と、現役のブリーダーが処分を決断する程の激しい受傷事故があったわけですね。

スプリンガーのプロである当事者のこのお二方で「方法が無い」と判断した事に、部外者の私達は特段感想はありません。というのが本音でしょうか。たとえ激怒症でなかったとしてもです。(私が冷たいのでしょうか)

それよりも、皆さん激怒症候群には厳しいのに、ご自分の飼い犬が咬むことについては随分と寛容なのですね。


みなさん言わないので一言いっておきますが「犬が咬むこと自体ががまず異常」だということを再認識しましょうよ。
そしてそれを「しつけの問題」、でバッサリと片付けて飼い主だけを責めるのもやめましょうよ。

もちろん飼いかたや環境で後から咬むことはあるでしょうし、それが全てではないことも重々承知しています。
でも、一寸でも飼えば、愛情があるから我々は自分の仔とずっと付き合っていくしかないのです。

その意味では今回の大きな罪は咬む犬を生み出した事です。

スプリンガーのブリーダーは大小含めていくつかありますが、宮城のブリーダーさん、会長さん。
咬むスプリンガーを生み出したこと、そして実際咬むスプリンガーが非常に多いこと。
これについてどう思われるのか。今後どうしていくつもりなのか?
犬と飼い主に対する本当の罪はこれです。

スプリンガーの評判、滅茶苦茶です。


私達はスプリンガー本来の性質である「家族思いで、明るい」健康な犬が欲しいだけなのです。どうか咬まないスプリンガーを譲ってください。ちょっと位小さくても、柄が変でも良いのです。

どうか今回の事を未来へ繋げて頂きたいと心から願っています。

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このブログ記事について

このページは、esscjが2011年9月28日 08:55に書いたブログ記事です。

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